痛みの原因
痛みの原因

日常の臨床において、規格通りのプロトコルで根管治療を終え、X線写真上でも適切な根管充填が確認できるにもかかわらず、患者さまの痛みが一向に改善しない、あるいは数ヶ月〜数年後に痛みが再発したという経験はないでしょうか。
「根管内は綺麗に清掃されているように見えるのに、打診痛や違和感が消えない」「何度も根管貼薬を繰り返しているが、根尖病変の透過像も主訴の痛みも改善の兆しがない」「痛みの原因が『未処置根管』なのか、『歯根破折』なのか、あるいは『歯以外(非歯原性)』にあるのか確証が持てない」
日常臨床の限られたチェアタイムの中で、これら複雑に絡み合った「痛みの原因」を特定することは容易ではありません。原因が特定できないまま根管治療(器具操作)を繰り返すと、歯根膜を過剰に刺激したり、歯質を薄くして破折リスクを高めたりする悪循環に陥ることがあります。
当院は、自由診療・完全予約制の歯内療法(根管治療)専門クリニックです。当院では、マイクロスコープと高解像度CT、長年の専門知見に基づき、患者さまを苦しめる「消えない痛みの真の原因」を科学的に突き止めます。
先生方のクリニックでの診療効率の向上とリスクマネジメントのため、原因不明の痛みが生じた際の「診断のセカンドライン(外部相談役)」として当院をご活用ください。
歯内療法専門医の視点から、根管治療後に痛みが続く(または再発する)原因は、大きく以下の4つのカテゴリーに分類されます。当院では、これらを一つずつ鑑別診断していきます。
X線写真では一見綺麗に見えても、解剖学的な死角に細菌が残存しているケースです。
未処置根管(Missing Canal)
上顎大臼歯のMB2、下顎前歯・小臼歯の2根管性、C-shaped canalの網状組織など、肉眼では発見が極めて困難な根管に感染歯髄が残存している。
根管側枝・根尖分岐の感染
メインの根管から枝分かれした微細な側枝や、根尖1/3の複雑なデルタ地帯(根尖分岐)に細菌叢が定着している。
根尖孔外感染
Actinomyces属菌などに代表される特定の細菌が、根管内だけでなく根尖の外側(歯周組織側)にバイオフィルムを形成し、通常の根管治療が奏功しない状態になっている。
過去の根管治療において、意図せず根管のオリジナル形態が変形してしまったことで、感染源の除去が妨げられているケースです。
レッジ(段差)の形成
湾曲根管の途中で器具が直進し、段差ができたことで、その先にある真の根尖病変まで器具や洗浄液が到達できない。
ジップ・ストリッピング
根尖孔が楕円形に変形させられたり、破壊されたりしたことで、アピカルシールが不可能になり、再感染を招いている。
穿孔(パーフォレーション)
髄床底や根管側壁に偶発的な穴が開き、歯周組織と直接交通したことで、難治性の局所的炎症を引き起こしている。
不完全なクラックから完全な破折へ
過去のポスト形成時や過度なテーパー拡大、あるいは過度な咬合圧により、歯根に縦方向の破折線(クラック)が入っているケースです。
診断の難しさ
初期段階のクラックはデンタルX線写真には写りません。破折線に沿って細菌が深部に侵入するため、いくら根管内を洗浄しても打診痛や瘻孔が消えることはありません。
冠部封鎖の破壊
根管治療自体は完璧であっても、仮封材の脱離や、最終補綴物(クラウン・インレー)の適合不良、セメントの微少溶解により、唾液とともに細菌が歯冠側から根管内へと再侵入(マイクロリーケージ)しているケースです。補綴後に数年を経て再発する痛みの多くはこれが原因です。
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